今更聞けない、シャルドネ 徹底解説 特徴と味わい - レストラン ワインじまん

今更聞けない、シャルドネ 徹底解説 特徴と味わい

シャルドネとは

シャルドネとは、世界的に有名なワイン用ブドウです。シャルドネはフランスをはじめ日本でも栽培されています。
ワインの銘醸地ブルゴーニュ地方の白ワイン用ブドウとして世界中でワインラバー達を魅了しています。リリースされているワインは手頃なテーブルワインから10万円以上もする超高級ワインまで様々一度は飲んでみたい「モンラッシェ」という高級ワインのブドウも、シャルドネです。

産地別 シャルドネを比較

シャルドネは、世界中で造られています。冷涼な産地から温暖な産地でも栽培されています。

冷涼な産地と言えばフランス、ブルゴーニュ地方の「シャブリ」が有名です。温暖な地域のシャルドネはアメリカ、カリフォルニアのナパヴァレーのシャルドネも芳醇で美味しいワインになります。

冷涼な産地で収穫される「シャルドネ」は、レモンのような柑橘類のスッキリとした味わいになり、温暖な地域で収穫された「シャルドネ」は、洋ナシやパイナップルなどの甘いフルーツのようなニュアンスがあります。

シャルドネは産地が変われば、スタイルや表情まで様変わりする、その土地ならではのシャルドネワインになり、その土地の個性としてテロワールが存分に発揮されます。ワイン通たちも魅了するシャルドネの魅力を探っていきましょう!

  • 冷涼産地
    レモンやスダチ、ライムのようなすっきりしたワイン
  • 温暖産地
    バナナ、洋ナシ、パイナップルのようなトロピカルフルーツのようなワイン

シャルドネの醸造方法

産地により、香りや味わいが大きく異なるシャルドネ。そのシャルドネに適しているワインの醸造方法があり、その醸造方法を行うことでシャルドネの美味しさを十分に引き出すことができます。主な醸造方法をご紹介します。

✔ ステンレスタンク発酵か樽発酵・樽熟成か

ステンレスタンク
スッキリした酸味のワインをステンレスタンクで発酵すると、レモンやスダチのようなシャープな酸味がそのままワインに反映されます。スッキリしたシャブリがこのタイプになり、酸味がフレッシュで極冷やして飲むと美味しいカジュアルタイプのワインに仕上がります。

樽発酵・樽熟成
樽由来の香りがワインに移り、バニラやトーストのようなコクがワインに生まれます。樽の香りの強弱により、ワインの表情も変わってきます。わずかに樽の香りがするワインや、強めの樽の香りなど様々あります。強めの樽熟成の場合はワインの色も濃くなり、黄金色のイエローなど重い濃厚なタイプのワインになります。

   ✔ナパヴァレーのシャルドネはこちらで解説しています。

カリフォルニアワインを堪能する ナパバレー

✔ マロラクティック発酵(MLF)
MLFをすると、酸味がまろやかになり、バターのような乳製品の香りがします。口当たりも酸味が柔らかくなることで、なめらかになります。MLFを行うことでワインのスタイルもガラッと変わり、造り手が目指すワインに自由自在に造ることができるのがシャルドネの特徴です


シャルドネ ソムリエ試験 模範解答

下の画像は、日本ソムリエ協会のソムリエ・ワインエキスパート「シャルドネ」の模範解答です。チェックしてあるコメントを言葉でつなげると、シャルドネの表現になります。ソムリエ・ワインエキスパート受験生はシャルドネは必ず覚えなくてはならない重要な品種です。

受験生以外では、このシートに自分のコメントを加えていくとオリジナルコメントになります。是非参考にしてみてください。


✔ステンレスタンク発酵の爽やかなシャルドネ

✔樽発酵・樽熟成の重いシャルドネ

シャルドネの香り

ルイジャドのシャルドネ貯蔵樽

シャルドネは爽やかな柑橘系の香りから洋ナシのようなトロピカルフルーツの香まで様々です。酸味も爽やかなものから、MLFによってまろやかななものまであります。
どんな風に例えると相手に伝わるか、コメント方法を覚えましょう。

柑橘レモン
トロピカルフルーツ洋ナシ
メロン
パイナップル
マンゴー
乳製品バター
その他蜂蜜
火打石・石灰
アーモンド
杏仁豆腐
バニラ

シャルドネの主な産地

シャルドネは世界中で造られています。主な産地をご紹介します。

  • フランス
    • フランスのシャルドネと言えば、ブルゴーニュ地方です。北はシャブリから南はムルソーやモンラッシェなどの超高級白ワインの産地です。ブルゴーニュと言っても、ワインのスタイルは様々あります。スッキリしたステンレスタンクで発酵させたワインから、少しだけ樽香がある上品なワインまで様々あります。
  • カリフォルニア
    • アメリカのワイン生産量8割をカリフォルニアで造っています。シャルドネの産地としても有名なナパバレーやソノマの高級産地から、内陸部の安価なワインを生むセントラルヴァレーなど、価格もスタイルも様々あります。カリフォルニアは日照量が多い、暑くて温暖な産地。そこから造られるシャルドネは果実味豊かなスタイルが基本です。トロピカルフルーツのようなワインで、樽熟成によるナッツのような樽の香りと乳製品のバターのようなまろやかなワインが多い。
  • チリ
    • 日本に輸入されるチリ産ワインは関税が安価であるため、フランス産のワインより多く日本に輸入されています。コンビニやスーパーなどで手軽に購入できる価格帯のワインが多く、飲食店のグラスワインでも良く見かけます。
      チリ産のシャルドネは、爽やかでフルーティーで余韻は長くはなくスイスイと飲めるフレッシュタイプです。一度は、見かけたことがあるチリ産ワインのブランド「アルパカ」などが有名です。
  • オーストラリア
    • オーストラリアのワインも手ごろで購入しやすいワインが多いです。こちらも一度は見かけたことがある、スクリューキャップの「イエローテイル」。家庭で気軽に飲めるテーブルワインです。
    • 最近は、フレッシュで爽やかなもの以外にも、樽熟成した高級なオーストラリア産シャルドネワインも見かけるようになりました。
  • 日本
    • 日本でもシャルドネは造られています。北海道の南地区では上質なシャルドネが造られるようになりました。函館、余市地方のシャルドネは海に近く、テロワールを反映したワインとしても名が知られるようになり、日本産ワイン界を引っ張っています。数年前から、ブルゴーニュのドメーヌで、ド・モンティーユが函館でピノノワールとシャルドネの畑で栽培を始めました。北海道は、今後世界的なワイン産地になるかもしれません。まだ情報は伏せられていますが、北海道中部地方では、シャンパーニュの大手メゾンが、畑の視察に入っているという情報もあります。今後が楽しみです。

岡山県のワインで話題のDomaine tetta(ドメーヌ・テッタ)
こちらのシャルドネも、美味しいです。日本ワインはどんどん進化していきますね。



樽の香りやバターの香りがする濃厚なシャルドネ、お勧めのワインをご紹介します。


《トゥエンティ・ロウズ》 シャルドネ ナパヴァレー Twenty Rows Chardonnay Napa Valley 
カリフォルニアのおすすめワインです。手頃で、こんなにゴージャスな味と香りがするの??というほど、カリフォルニアの特徴が感じられます。取り寄せる価値があります。


ブルゴーニュ リュリー
ここ数年でフランスワインの価格が高騰しています。まだ、この価格帯でこんなに美味しいワインがかえるの?というほど、驚きます。コートシャロネーズのリュリーです。ちょっと買い占めレベルのワインです。

冬の函館

函館にワイナリーを創設している、ブルゴーニュの有名ドメーヌのモンティーユ。
あと、数年で函館でとれたブドウでワインがリリースされます。(ブドウができるまで最低5年はかかるため)その前に、ブルゴーニュ産モンティーユで話題にしましょう!

モンティーユおすすめのシャルドネ

ド・モンティーユ  ムルソー

シャルドネ ペアリング

シャルドネにはどんな料理が合うのでしょうか。手軽な家庭料理とレストラン料理をご紹介します。

家庭料理
樽熟成シャルドネ:グラタン(じゃがいも、海鮮)、鮭のバター焼き、チーズ、ピザ

スッキリしたシャルドネ:白身のお刺身、マグロのお刺身、ホタテのカルパッチョ、オリーブオイルをかけたモッツァレラチーズ、餃子、肉じゃが

レストラン・ビストロ
樽熟成シャルドネ:舌平目のムニエルバターソース、コキール、ブルギニオンバター、クリーム系パスタ、キッシュ、パテ

スッキリしたシャルドネ:オイル系パスタ、天ぷら、寿司などの和食全般



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KIKI

KIKI

飲食店を開業しておよそ20年。有資格はソムリエ・ワインエキスパート・サケディプロマ・唎酒師・酒匠・チーズプロフェッショナル。

経営者として店を盛り上げるために、ワインや日本酒に特化した店に舵をきり大成功。店で人気のコストパフォーマンスが良いワインや、ワインにマッチするチーズなどをご紹介します。お客さんには言えないワインの話もぶっちゃけちゃいます。ワイン大好き!みんなで楽しみましょう。

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