目次
カベルネ・ソーヴィニョンとは?
カベルネ・ソーヴィニョンは世界中で最も広く栽培されているワイン用ブドウです。ワイン主要国では必ずと言っていいほど栽培されています。
カベルネ・ソーヴィニョンはフランス・ボルドー地方のブドウとしても有名です。最近では、アメリカ・カリフォルニアの高級ワインとしても成功しています。
チリやオーストラリアでも手頃なワインとしても人気を集めていて、スーパーやコンビニでも気軽に手に入るワインです。
味わいは濃く、深みがあり熟成させて「寝かせて味わう」という超熟タイプのワインが多いです。
コンビニやスーパーのカベルネ・ソーヴィニョンは手頃で、味がしっかりしていて美味しいと親しまれています。
カベルネ・ソーヴィニョン 栽培
カベルネ・ソーヴィニヨンは世界中で栽培されており、国々により様々な気候で栽培が可能です。カリフォルニアのような乾燥して暖かい地域ではカベルネ・ソーヴィニョン単一のワインや複数のブドウとブレンドをして造るブレンド用品種としても栽培されています。
アメリカ・カリフォルニアは日照時間が長く、ブドウが完熟するまで支障をきたすことがあまりないためブドウが成熟しやすく、カベルネ・ソーヴィニヨン単一品種から造る、ワインの生産に適しています。
しかしフランス・ボルドーは、収穫期の天候が毎年異なり安定しません。そのため理想的なブドウに成熟する前に収穫されることもあり、毎年味わいや香りが異なります。そのため、ボルドーはメルローなど他の品種とブレンドすることで欠点を補って、品質を安定させています。
カベルネ・ソーヴィニョンは畑の土壌よりもその年の気候がワインに大きく影響ことが多い品種です。
カベルネ・ソーヴィニョン 未成熟ブドウ
カベルネ・ソーヴィニョンは天候によりブドウの成熟度に差が出ることは理解できたでしょうか。
ボルドーで、ブドウを早めに収穫し、出来上がったワインは下記のような影響がでてしまいます。
それは、ブドウの熟度が低い時に強く感じられる。メトキシピラジンという物質が発生します。
メトキシピラジンという物質が発生したブドウは、青い植物やピーマンのような青っぽい香りがワインの香りに現れてしまいます。
カベルネ・ソーヴィニョンの品種特徴香といえば、それまでですが、ネガティブに捉えられる場合があり、生産者としてあまりワインに現れないように努力している生産者もいます。
メトキシピラジンは、カベルネフランにも現れやすい香りです。
✔メトキシピラジンについては詳しくはこちらをご覧ください
ワインの官能評価 専門家の本格テイスティング解説
カベルネ・ソーヴィニョン味わいの特徴
カベルネ・ソーヴィニョンはブルゴーニュ地方のピノノワールに比べて味が濃く、タンニンが強く骨格がしっかりしているのが特徴です。果実が小さく果皮は厚いため、ワインの香りやタンニン、そして濃淡に強く影響し、風味が強いワインになります。
産地により香りや味わいの強さなどが異なりますので、産地別にみていきましょう。
フランス カベルネ・ソーヴィニョン特徴
フランスのカベルネ・ソーヴィニョンは6割以上がボルドーで造られています。フランスワインの最大生産地はボルドーですのでフランス国内でのカベルネ・ソーヴィニョン比率が高いのが頷けます。ボルドーの収穫期の気候は毎年安定していません。そのため、年により収穫時期を早めたりすることがあります。
ボルドーの格付けは、世界的に有名です。年によって点数が付けられているため、生産者の気苦労も絶えないでしょう。
ボルドーのカベルネ・ソーヴィニョンの品質は年により不安定なため、メルロや他品種をブレンドして造られます。カベルネ・ソーヴィニョン単一で造られるワインはほとんどありません。
ボルドー以外でも、南フランスやロワール川流域で栽培されています。この産地は、比較的軽やかでシャープなカベルネ・ソーヴィニョンが収穫されます。熟成しなくても程よいタンニンで早く飲めるワインに仕上がっています。ラングドックでは、テーブルワインとしてカベルネ・ソーヴィニョン単一品種のワインも造られています。
ボルドー、おすすめカベルネ・ソーヴィニョン
ECHO DE LYNCH BAGESエコー ド ランシュ バージュ
メドック格付け第5級にもかかわらず、「2級の品質に相当する」という高い評価を得ているシャトー・ランシュ・バージュ。ランシュ・バージュなら5万円もしますが、セカンドラベルなら、この価格で堪能できます。
シャトー カントメルル
フランス ボルドー A.O.C. オー メドック メドック 第5級格付のワインがまだこの価格で購入できるのは奇跡かもしれません。
シャトー カントメルルのセカンドワイン
LES ALLEES DE CANTEMERLE レ ザレ ド カントメルル
格付け5級ながら3級シャトーに匹敵する実力派シャトー・カントメルルが手掛けるセカンドラベル。軽やかなタンニンがあり、まろやかな口当たり。魅力的なフレッシュさと素晴らしいブドウのポテンシャルを感じます。
イタリア カベルネ・ソーヴィニョン特徴
イタリアでもカベルネ・ソーヴィニョンは栽培されています。高級ワインから手頃なワインまで様々ありますが、近年話題になっているのが、カベルネ・ソーヴィニョンを使用して造られる、
トスカーナ州のスーパータスカンです。
スーパータスカンとは、従来のワイン法や基準にとらわれずに自由な発想と技術で造られるイタリアの上級ワインです。イタリアの最高ランクでもあるDOCGにも劣らず、更に上質なものを造っています。スーパータスカンは世界中で称され、味わいの評価から高額で販売されています。
今ではワイン愛好家から、プロのソムリエまで幅広く愛されています。
✔イタリアのワイン法はこちらを参照してください。
赤ワイン バローロとは?バルバレスコとの違いも徹底比較
1968年に元祖スーパータスカンとして知られるサッシカイアが誕生。原産地呼称を名乗れなくても、ブドウのポテンシャル、醸造技術のクオリティが突出していたため、トスカーナの規定を超越したという意味でスーパータスカンと称されました。
トスカーナから発した「国際品種」「品質重視」のワイン造りは、イタリア全土に広がり、イタリア全体の品質の向上も発展していきました。
果実味が濃厚でコクがあり、そのコクが余韻まで感じられます。
一度はスーパータスカンの代表「サッシカイア」を堪能してみましょう。
サッシカイア セカンドワイン
手ごろな価格帯で、サッシカイアのセカンドラベルは購入できます。
アメリカ カベルネ・ソーヴィニョン特徴
カリフォルニアのナパ・バレーは、豊富な日照時間と収穫期に乾燥して、雨がほとんど降らないという、カベルネ・ソーヴィニヨン種の栽培に適した環境です。しっかりとした骨格があり、味わいは豊かなボリューム感。
気候が安定しているため、カベルネ・ソーヴィニヨンが成熟しやすく、単一品種で造られているワインも多くあります。アメリカのカベルネ・ソーヴィニョンは世界的に高い評価を得ています。
アメリカ・カリフォルニアといえば、オーパスワンというワインを一度は耳にしたことはないでしょうか。
オーパスワンのすぐ南の畑のコスパワインをご紹介します。
NAPA HIGHLANDS CABERNET SAUVIGNON NAPA VALLEY
ナパ ハイランズ カベルネ ソーヴィニヨン ナパ ヴァレー
畑はオーパス・ワンから南に道を挟み隣接する好立地で栽培されています。ナパのカベルネらしいボリューミーでリッチ、飲み応えを十分に感じるしっかりとした味わいで豊かな果実味を堪能できます。
チリ カベルネ・ソーヴィニョン特徴
チリの気候は、アメリカ・カリフォルニアに並び、カベルネ・ソーヴィニヨン種にとって最適ともいえる気候です。手頃な値段とその品質の高さで、日本では「チリカべ」とも呼ばれて人気です。ブラックチェリー、ブラックベリーのような黒系果実の風味とミントやハーブのようなさわやかな香りが特長です。スーパーやコンビニで気軽に買えるのも魅力の一つです。
カベルネ・ソービニョンの香りとは?
カベルネ・ソーヴィニョンの代表的な香りは黒系ベリーです。ピノ・ノワールに比べてタンニン(渋み)も濃く凝縮された味わいです。ワインの表現としてどんな風に例えると相手に伝わるか、コメント方法を覚えましょう。
ベリー | カシス |
ブラックチェリー | |
ブラックベリー | |
スパイス | ナツメグ |
甘草 | |
野菜 | ピーマン |
土系 | 杉 |
土 | |
その他 | 革製品 |
カベルネ・ソーヴィニョン ソムリエ試験 模範解答
下の画像は、日本ソムリエ協会のソムリエ・ワインエキスパート「カベルネ・ソーヴィニョン」の模範解答です。チェックしてあるコメントを言葉でつなげると、カベルネ・ソーヴィニョンの表現になります。ソムリエ・ワインエキスパート受験生はカベルネ・ソーヴィニョンは必ず覚えなくてはならない重要な品種です。しっかりマスターしましょう。
受験生以外では、このシートに自分のコメントを加えていくとオリジナルコメントになります。是非参考にしてみてください。
ソムリエ・ワインエキスパート試験に出題される若いカベルネ・ソーヴィニョンのコメントです。
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