赤ワイン バローロとは?バルバレスコとの違いも徹底比較 - レストラン ワインじまん

赤ワイン バローロとは?バルバレスコとの違いも徹底比較

イタリアワインの王様 バローロ

バローロはイタリアワインを語るには避けては通れない銘柄の1つです。

イタリア、ピエモンテ州で造られる、イタリアワインの格付けで最高位にあたるD.O.C.G.に認定されているのが長期熟成型の赤ワインバローロです。

✔ ランゲネッビオーロとバローロの違いはこちらをご覧ください
バローロなの?ランゲ・ネッビオーロとは イタリアワインに迫る! – レストラン ワインじまん (kirapremiumtour.com)

北イタリアに属します

バローロとは、イタリア北西部にあるピエモンテ州バローロ村の周辺で造られる赤ワインのことです。ピエモンテ州はイタリアの醸地で、トスカーナ州に並ぶ二大銘醸地になっています。

格付け D.O.C.G.とは

D.O.C.G.とは、デノミナツィオーネ・ディ・オリジネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)頭文字を取った略語で、イタリアワインの格付けで最上位の等級を指しています。

Denominazione di Origine Controllata e Garantita
イタリアワインの中で一番厳しい格付けです。
バローロやバルバレスコ、キャンティ、キャンティ・クラシコなどのイタリアを代表するワインがこの格付けに属しています。

Denominazione di Origine Controllata
イタリアワインで2番目に厳しい格付けです。
生産地、ブドウの収量、ワインの収量、ALC度数などが厳しく決められている上級ワイン。

Indicazione Geografica Tipica
1992年に新設された格付けです。
一地域のブドウを85%以上使うことが条件で、ワインのラベルには生産地と品種を表記することが認められます。

Vino dTavola
規定が無いカジュアルなテーブルワインです。
個性的なワインメーカーも自由にワインを造ることができます。
サッシカイアなどのスーパートスカーナワインも「格付け」に拘らず、ここに属しています。

D.O.C.G. 規定によるワイン造り


イタリアの原産地呼称ワインは、樽や瓶での熟成最低期間が定められています。

バローロワインの最低熟成期間は38ヶ月で、リゼルヴァという表記を入れるには
62ヶ月の熟成が必要です。

また、アルコール度数は13%を超えるように造らなくてはなりません。

バローロの歴史と背景

KIKI

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バローロの始まりは甘口の微発泡性ワインでした。19世紀半ば頃、イタリア統一で活躍したカミッロ・カヴール伯爵が、フランスから醸造家を招き、最新の醸造技術を導入しました。それからバローロはネッビオーロのブドウの成熟度の高さと上質なブドウの持ち味を生かして今の原型である、長期熟成型の辛口赤ワインへと変化していきました。

バローロボーイズの登場

KIKI

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20世紀後半には「バローロボーイズ」と呼ばれる生産者たちが登場します。クラシックな長期熟成タイプのバローロではなく、現代のトレンドに合わせた早飲みスタイルのバローロ造りに成功します。新しい造り方のバローロは、ジューシーな酸味とフレッシュな果実味で余韻には、程よい樽の香り。ワイン愛好家を感動させ、世界中で楽しまれる赤ワインバローロになりました。

バローロのブドウ品種 ネッビオーロ(Nebbiolo)

バローロのブドウ品種はネッビオーロ(Nebbiolo)です。
諸説ありますが、この地域では霧が多く発生することから、イタリア語で霧を意味するネッビオーロ(Nebbiolo)という名前になったそうです。

ネッビオーロは他品種より、収穫時期が遅く「霧が発生する」11月頃にブドウが熟し収穫を行います。

ネッビオーロ 味わいの特徴

ネッビオーロにはタンニンが豊富に含まれています。長期熟成に耐えるブドウ品種です。
輪郭がハッキリとしていて、口に含むと最初は酸味もタンニンも滑らかに感じますが、10秒、20秒経過すると、どんどん奥から濃厚なタンニンが口中に顔を出します。
これは、ネッビオーロの味の特徴と言えます。

香りも、熟成感からくるドライフルルーツ、干しブドウや、ドライイチジクのような凝縮した香りです。ラズベリーなどの赤い果実の他に、スパイシーな香りも感じられます。

バローロ 5大産地


バローロが造られる代表的な産地をご紹介します。

バローロの5大産地は、「ラ・モッラ村」、「バローロ村」、「カスティリオーネ・ファッレット村」、「モンフォルテ・ダルバ村」、「セッラルンガ・ダルバ村」の5つの村があります。

バローロワインは村によって味わいが異なります。村別で飲んでみても勉強になります。

ラ・モッラ村(La Morra)
5つの村の中で一番大きいのはラ・モッラ村です。この土地の畑の土壌はマンガン・マグネシウム・石灰質といったミネラルが豊かな土地です。他の村のバローロと比べるとフレッシュで早めに飲める若飲みタイプのバローロになります。

バローロ村(Barolo)
バローロ村はラ・モッラ村と同じミネラル分が多い土壌です。
香りが高く、バランスの良い整ったバローロが造られます。

カスティリオーネ・ファッレット村(Castiglione Falletto)
この村は5つの村の中でも一番小さい村です。生産量も少なく、非常に貴重なバローロです。
カスティリオーネ・ファッレット村のバローロはエレガントで香り高く非常に華々しいワインです。

モンフォルテ・ダルバ村(Monforte d’Alba)
この村の畑の土壌は鉄分が多く含まれているため、重厚でどっしりとしたバローロになります。
鉄分により、個性的なバローロワインになっています。

セッラルンガ・ダルバ村(Serralunga d’Alba)
この土地の土壌も鉄分が多いのが特徴です。長期熟成型のワインを生み出し、重厚でスパイスや干しブドウなどのドライフルーツの香りが強いです。伝統的な味わいのバローロなら、この村のバローロを飲んでみるのが良いでしょう。

イタリアワイン バルバレスコ(Barbaresco)とは

バルバレスコとはバローロと同じピエモンテ州クーネオ県にあるバルバレスコ村周辺の地域で造られる赤ワインのことです。
バローロと同じくのイタリア最高級ワイン最高位のD.O.C.G.に属しています。
バローロはイタリアワインの王様、バルバレスコはイタリアワインの女王と呼ばれています。

使用されるブドウも、バローロと同じ黒ブドウのネッビオーロです。

バローロの方が有名ではありますが、味わいが劣っているわけではありません。プロモーションの上手さでしょうか。

バローロとバルバレスコ違い

バローロとの違いは生産されている村の違いと、定められた熟成期間の違いがあります。

バローロの熟成期間は38ヶ月(そのうち18ヶ月は樽熟成でなければなりません)で、バルバレスコは26ヶ月(そのうち9ヶ月は樽熟成)になっており、バルバレスコのほうが定められた熟成期間は短い。その為、味わい、香りにも違いがあります。

赤ワインの醸造工程では、マセラシオン(日本名:醸し)とういう工程で、
ブドウ果汁を果皮・種子とともに入れ、アルコール発酵をしながら果皮・種子のタンニン(渋味成分)をワインに移していきます。

マセラシオンの工程でもバルバレスコのほうが短い期間になり、バローロと比べて渋味や酸味がやわらかく、緻密でエレガントな香りと味わいのワインになります。
バルバレスコのほうが熟成が早く、バローロより早く飲み頃を迎えます

バルバレスコ3大産地


バルバレスコにも有名な産地が3つあります。
ネイヴェ村(Neive)、バルバレスコ村(Barbaresco)、トレイゾ村(Treiso)です。

ネイヴェ村、バルバレスコ村で造られるバルバレスコは、長期熟成を経て男性的で重厚な味わいになります。

ネイヴェ村やバルバレスコ村に比べると、フローラルでまろやかな酸味とタンニンで女性的な味わいのワインになります。

おすすめのバローロ

上質でおすすめの生産者のバローロをご紹介します。


バローロは生産者により味や香りが異なります。5つの生産者を飲み比べて違う味を楽しめるバローロマスターセットです。しかも価格改定前でお得です。
単品購入なら1本8千円もするので、5本セットで19800円はお買い得です。

伝統的大樽熟成による安定した品質の落ち着きのある美味しさ


バローロ最大の名門「フォンタナフレッダ」の定番バローロ
「ワインの王様」バローロを知る上で外せない造り手、バローロ最大の名門「フォンタナフレッダ」の定番バローロです。伝統的な大樽熟成ならではの、奥深さとエレガンスな味わいと香りです。


【イタリアワインの王様&女王】バローロ・バレバレスコ 飲みくらべ 赤ワイン 2本 
バローロ、バルバレスコを試せるセットはこちら。
イタリアワイン通を目指して、熟成違いのネッビオーロを是非試してみてください。



貴重なバローロの今話題の自然派ワイン(ナチュラルワイン)です。とても珍しいので試す価値十分です。自然派は旨味があり、料理とも相性が良いです。飲む温度は16度程度に少し冷やしてくださいね。冷やすと味の輪郭がしっかりとします。


イタリアワインの王様 バローロ。イタリアワインを語るうえで無くてはならない存在です。
バローロの次はバルバレスコも試してみてくださいね。

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KIKI

KIKI

飲食店を開業しておよそ20年。有資格はソムリエ・ワインエキスパート・サケディプロマ・唎酒師・酒匠・チーズプロフェッショナル。

経営者として店を盛り上げるために、ワインや日本酒に特化した店に舵をきり大成功。店で人気のコストパフォーマンスが良いワインや、ワインにマッチするチーズなどをご紹介します。お客さんには言えないワインの話もぶっちゃけちゃいます。ワイン大好き!みんなで楽しみましょう。

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