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ピノノワールとは?
ピノノワールとは、世界的に有名なワイン用ブドウ品種です。フランス、ブルゴーニュ地方が原産の赤ワイン用ブドウです。ヨーロッパから広がったピノノワールですが、今では世界中で造られています。近年では、日本でも上質なピノノワールが北海道を中心に栽培されています。
現在は1本300万円もすると言われている「ロマネコンティ」もこのピノノワールから造られています。華やかでタンニンも程よくエレガントなピノノワールは世界中のワインラバーを魅了しています。ピノノワールの謎に迫っていきましょう。
ピノノワール 産地
世界中で栽培されているピノノワールですが、比較的に冷涼な土地で造られています。産地によって香りや味わいも異なり、土地の個性(テロワール)が感じられます。
産地が異なってもピノノワールの共通は、赤系ベリーやチェリーを思わせる繊細な酸味、小さくて柔らかな果実味と、バラの花や牡丹などの花畑を連想させる、華やかさ、シナモンやナツメグのような樽熟成由来のスパイスや皮製品などの複雑味が特徴です。
最高ランクにあたいする畑のピノノワールは、余韻も長いワインになります。ワインの格は、余韻に現れます。高級なピノノワールを飲む機会があれば、必ずじっくりと余韻を確かめましょう。
フランス ピノ・ノワール
フランス
ピノ・ノワールの発祥の地といえばブルゴーニュ地方。
非常に歴史が深いブドウで、4世紀頃から栽培が行われていたという記録があります。
ブルゴーニュの中心地ディジョンから、北のコート・ド・ニュイと南のコート・ド・ボーヌを合わせたコート・ドール(黄金の丘)とよばれる南北約60kmの一帯が、偉大なピノ・ノワールの産地です。
コート・ドール北部のコート・ド・ニュイは、赤ワインの最高ランクの畑があるグランクリュが集中しています。有名な「ロマネコンティ」が生まれる場所もこちらです。
ブルゴーニュでは、その土地の個性「テロワール」を重視しており、道を一本挟むと味わいが異なると言われています。それぞれの造り手が切磋琢磨し1000年以上かけて蓄積されたブルゴーニュの畑が歴史あるブルゴーニュのワインを造っています。
下の写真は、ブルゴーニュの造り手「ルイ・ジャド」のモンラッシェ(上)とシャンベルタン(下)の畑の地層です。黒ブドウ向きの地層と白ブドウ向きの地層は、こんなにも異なります。
ブルゴーニュのルイジャドがおすすめした秘密のピノノワール
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ドイツ ピノ・ノワール
フランス以外のヨーロッパでも、ピノノワールが造られています。特に、フランスに劣らないピノノワールの名産地はドイツ。ドイツといえば、甘口の白ワインというイメージがありますが、温暖化の影響で黒ブドウにも適した気候になってきたのも理由の一つです。
ドイツではピノノワールを「シュペートブルグンダー」と呼んでいます。シノニムというその土地の訛りのようなものです。
若いピノノワールでも、香りが開きやすい手頃なものから高級なものまで様々あります。
✔ テロワールが感じられるドイツのピノノワール、おすすめ赤ワイン
アメリカ ピノ・ノワール
アメリカ・カリフォルニアといえば、オーパスワンのような濃厚なカベルネ・ソーヴィニョンをイメージする方も多いのですが、黒ブドウの栽培面積はカベルネ・ソーヴィニョンに次ぐ、第二位にピノノワールが栽培されています。
カリフォルニアといえば、乾燥した暑い温暖な産地です。しかし、最近はカリフォルニアに適したピノノワールの栽培方法が研究され、果実味が豊かで少しアルコール度数が高い芳醇なピノノワールが造られています。ワインも手ごろなものから高級なものまでラインナップの幅が広いのも特徴です。
もう一つ、アメリカで上質なピノノワールの産地として有名なのは、オレゴンです。カリフォルニアの北に位置するオレゴンは比較的冷涼な気候で、昼夜の寒暖差も大きくピノ・ノワールの栽培に向いています。
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オレゴン州のピノノワール
カリフォルニア(ソノマ)のピノノワール
ニュージーランド ピノ・ノワール
ニュージーランドと言えば、白ワインのソーヴィニヨンブラン。パッションフルートのようなトロピカルフルーツのような果実味があるワインで有名です。最近のニュージーランドワインは、テーブルワインとして、優秀なワインが造られています。毎日飲めるデイリーワインは目を見張るほどです。ニュージーランドの赤ワインは何と言ってもピノノワール。
冷涼で昼夜の寒暖差が大きいニュージーランドの気候は、涼しい栽培地を好むピノ・ノワールに最適です。ブルゴーニュの気候と似ていると言われる北島のマーティンボローや、南島のセントラル・オタゴで多く栽培されています。
著者絶対おすすののニュージーランドピノノワールはこちら↓
手頃で、華やかでエレガントなピノノワールです。いつもまとめ買いしています。
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ニューシーランドワインとは?特徴とおすすめピノノワールをご紹介
ピノ・ノワールの香りとは?
ピノノワールの代表的な香りは赤系ベリーです。カベルネ・ソーヴィニョンに比べてタンニン(渋み)もなめらかで余韻もエレガントなワインです。どんな風に例えると相手に伝わるか、コメント方法を覚えましょう。
ベリー系 | ラズベリー |
アメリカンチェリー | |
ブルーベリー | |
花 | バラ |
牡丹 | |
スミレ | |
その他 | なめし皮 |
紅茶 | |
シナモン | |
松茸 |
ピノノワールソムリエ試験 模範解答
下の画像は、日本ソムリエ協会のソムリエ・ワインエキスパート「ピノ・ノワール」の模範解答です。チェックしてあるコメントを言葉でつなげると、ピノノワールの表現になります。ソムリエ・ワインエキスパート受験生はピノノワールは必ず覚えなくてはならない重要な品種です。
受験生以外では、このシートに自分のコメントを加えていくとオリジナルコメントになります。是非参考にしてみてください。
ピノノワールに合う料理
繊細なピノノワールには、白身の肉で鶏肉があいます。他にも鴨肉、野鳥系のキメ細かくて繊細な肉質のお肉がおすすめです。
ブルゴーニュ地方の郷土料理で、「コック・オー・ヴァン」という鶏肉の赤ワインに込みが有名です。ブルゴーニュに行くとカフェやワインバーのメニューでもオンリストされています。
もう一つ、ブルゴーニュの郷土料理、牛肉の赤ワインに込み「ブフ・ブルギニョン」があります。ブルゴーニュは赤ワインで煮込んだ煮込み料理が定番です。
まとめ
世界的に有名なピノノワール。ワイン好きの方は、ブルゴーニュ派かボルドー派か分かれることもあります。骨格がしっかりとした強いタンニンのボルドーと、正反対な繊細で緻密なタンニンのブルゴーニュ。口当たりも、余韻も全く違うワインになります。
近年は、産地別のピノノワールの飲み比べ、イベントなどが開催されていますが、どの国でも上質なピノノワールが栽培されているため、産地を当てるのは至難の業でしょう。トップソムリエでも、産地を当てるのはコンクールでも正解できないことが多いです。
ニューワールドのピノノワールも是非、日常のテーブルワインとして飲んでみ見て欲しいほどクオリティの高いワインばかりです。
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