ワインのテイスティングコメント 表現 ②花・植物編 - レストラン ワインじまん

ワインのテイスティングコメント 表現 ②花・植物編

今日もちょっと、深く掘り下げてワインのテイスティングについて学んでいきましょう!

ワインから香りを見つけるには先ず、その香りを知っていなければなりません。
表現の上手いソムリエが、どのような時に使い、どんなワインから感じ取っているのかについて解説していきます。第一回目はフルーツを学んでいただきました。今回は、花と植物です。数回に分けてテイスティングコメントを作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。
第一回目の、フルーツ編をご覧になっていない方は、先ずはこちらからご覧ください。

✔ テイスティングを学ぶ「フルーツ編」

ワインのテイスティングコメント 表現 ①フルーツ編

ワインの表現 テイスティングコメント 花 

花は基本的に若いワインに感じられることが多い香りですが、ドライフラワーなど熟成したワインから見つけられることも多いです。熟成のニュアンスでドライフラワーの香りを使用することもあります。花の香りは、フローラルなと表現することもあります。

ブドウ品種表現
オレンジの花甲州、デラウェア、リースリングミカンの花の香りはネロリと名前がある。ほろ苦くどこか甘みがある香り。アロマセラピーで用いられる高級ランクの製油
スズランボルドー系のソーヴィニヨンブラン、セミヨン優しい花の香りでライトボディで軽やかなワインに用いられる用語。
ユリヴィオニエ濃厚な強い花の香り。日照が強い産地のワインに感じられる香り
アカシアシャルドネ、シュナンブラン、リースリング華やかさと甘みの両方を備えたワインの表現。白い花の代表としても表現する花。
スミレピノノワール、ガメイ、ツヴァイゲルトレーベ熟成をしていない若い赤ワイン全般の表現として使われる。
スミレ&アカシアはペアで使用されることも多い。
バラピノノワール、ツヴァイゲルトレーベ、ガメイ甘く華やかな赤ワインに使用される。
キンモクセイセミヨン、リースリング、デラウェア、マルサンヌ熟したブドウで造られた白ワインの表現で使用される。
ブドウ品種表現
蜂蜜シャルドネ、シュナンブラン、貴腐ワインワインに多くある香り。より甘さを感じる蜂蜜は、遅摘みの貴腐ワインなどに感じられる。

バラはピノノワールに感じられる代表的な香りです。全房発酵させた赤ワインに感じることが多い。
「しおれたバラ」は
熟成した赤ワインに感じられる香り。
「野ばら」グリーンノートが感じられて清涼感があるときに使用する用語です。

ワインの表現 テイスティングコメント 植物

植物の香りもワインのコメントにはとても重要です。香りが豊かなハーブに対して、より青っぽい植物の香りは草や野菜の香りです。青い野菜類は、ブドウ本来から感じる、「第一アロマ」です。ハーブや植物の一部は発酵由来の「第二アロマ」から感じられることも一部あります。

✔ 第一アロマとは
ブドウから感じられる香り


✔ 第二アロマとは
発酵由来の香り(マロラクティック発酵やマセラシオンカルボニックなど)

植物ブドウ品種表現
ミントカベルネソーヴィニヨン、シラー、グリューナーベルトリーナー、カベルネソーヴィニヨンには、産地を問わず、ミントガムのような香りがする。
ユーカリオーストラリアのソーヴィニヨンブラン、シラーオーストラリアの品種特徴香り。ユーカリの樹が近くに植えられていることから、ブドウに香りが移っている清涼感があり、フレッシュな香り
ローリエシラー、グルナッシュ、ヴェルデホ、アルバリーニョ気品があり、青みがかった香り。
ローズマリーグルナッシュ、ムールヴェードル、カリニャンほろ苦さを連想させるスパイシーな香りに使用される
ディルソーヴィニヨンブラン繊細な草のような香りでロワールのソーヴィニヨンブランなどに感じられる。
シソピノノワール、カベルネフラン、ソーヴィニヨンブラン、ミュラートゥルガウピノノワール、カベルネフランの醸しの期間が短い時に感じられる。
カモミールシュナンブラン、リースリング、ソーヴィニヨンブランフローラルで優しく、ややリンゴのような香りがする。熟成した白ワインなら、カモミールのハーブティのようなニュアンスもある

ワインの表現 テイスティングコメント 茶

茶葉の香りは熟成したワインに現れやすい香りです。

茶葉ブドウ品種表現
ジャスティンピノグリ、甲州、オレンジワインフローラルな茶葉の香りで、スパイシーなニュアンスがあるときに使用される
緑茶ソーヴィニヨンブラン、シュナンブラン植物的なニュアンスと熟成したワインに感じられる香り。シュナンブランの熟成したものに感じやすい。
紅茶ピノノワールピノノワールの品種特徴香。複雑な茶の香りと余韻が長い時に使用される

ワインの表現 テイスティングコメント 野菜・草

主にブドウの未熟さを表現するときに使用される表現。あまり良い表現ではないこともあるので場所を選んで使用するようにしましょう。

✔ 本格テイスティングも参考にしてください。ピーマンの香りなど詳しく解説しています。

ワインの官能評価 専門家の本格テイスティング解説
野菜ブドウ品種表現
ピーマンカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、日本メルロブドウの熟度が低い時に強く感じられる。メトキシピラジンが原因物質
アスパラガスソーヴィニヨンブラン青みがかった匂いはややマイナスイメージのニュアンス。ニュージーランドのソーヴィニヨンブランには感じやすく典型的なソーヴィニヨンブランとして表現されることもある
青草ソーヴィニヨンブランフレッシュな青みがかった香り。熟成していない若いワインのフレッシュな表現として使用される
カシスの芽ソーヴィニヨンブラン薫り高く、爽やかさが溢れた白ワインのニュアンス。ソーヴィニヨンブランの香りとして世界的で使われる表現
黒オリーブサンジョベーゼ、ネッビオーロ、テンプラニーリョ凝縮されたタンニンと酸味があるときに使用される。酸化熟成のニュアンスもあるときに使用される
ゴボウカベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン、日本メルロ土のようなニュアンスと、植物の匂いが合わさったときに使用される。
自然派ワイン豆を茹でた時のような香り。海外ではネズミと表現されることもある。亜硫酸が少ないワインに多く感じられる
ニンニク、たまねぎ酸素供給がないワイン、還元臭ワインにあると不快に感じられる香り。酸素供給が少ない時に応じる香りで還元臭として使用される。
干し草、麦わらピノグリ酸化した白ワインのニュアンス
タバコの葉テンプラニーリョ熟成した赤ワインに多く見られる。テンプラニーリョは若いうちから感じられる
落ち葉熟成が始まった赤ワイン熟成の初期のニュアンスとして感じられる。乾燥した土っぽさも一緒に感じられる。

✔ 還元臭 ニンニク、玉ねぎのような匂いはこちらで解説しています。参考にしてください。
ワインのブショネとは? – レストラン ワインじまん (kirapremiumtour.com)

まとめ

植物や野菜の香りいかがでしたでしょうか。白ワインには頻繁に草や野菜が感じられますよね。これを理解して飲むと、どんな醸造方法をたどっているのかや、どのくらい熟成しているのかが分かってくるかもしれません。
では、次回のテイスティングコメントもお楽しみに!

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mama

mama

飲食店を開業しておよそ20年。有資格はソムリエ・ワインエキスパート・サケディプロマ・唎酒師・酒匠・チーズプロフェッショナル。

経営者として店を盛り上げるために、ワインや日本酒に特化した店に舵をきり大成功。店で人気のコストパフォーマンスが良いワインや、ワインにマッチするチーズなどをご紹介します。お客さんには言えないワインの話もぶっちゃけちゃいます。ワイン大好き!みんなで楽しみましょう。

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