ワインのテイスティングコメント 表現 ③土・木・スパイス編 - レストラン ワインじまん

ワインのテイスティングコメント 表現 ③土・木・スパイス編

ワインの表現 テイスティングコメント

今日もちょっと、深く掘り下げてワインのテイスティングについて学んでいきましょう!
ワインから香りを見つけるには先ず、その香りを知っていなければなりません。
表現の上手いソムリエが、どのような時に使い、どんなワインから感じ取っているのかについて解説していきます。第一回目はフルーツ、第二回目は花・植物を学んでいただきました。
今回は、土・木・スパイスです。数回に分けてテイスティングコメントを作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。
第一回目フルーツ編、第二回目花・植物をご覧になっていない方は、先ずはこちらからご覧ください。

ワインのテイスティングコメント 表現 ①フルーツ編
ワインのテイスティングコメント 表現 ②花・植物編

ワインの表現 テイスティングコメント 土

土はワインの熟成感を表すことが多いコメントです。
土の香りには乾いた土や、湿った土、腐葉土などは赤ワインの熟成を表現する言葉であり、土の状態はワインの様々な熟成が現れています。

熟成の段階で変化する香りという事を覚えておきましょう。

ブドウ品種表現
土、湿った土ボルドー系全般赤ワインに使う表現。
湿った土は熟成の兆しを示すコメントになる
腐葉土ボルドー系、ピノノワール黒く湿った重い土の事。湿った土より、さらに熟成したワインに使うコメント

ワインの表現 テイスティングコメント キノコ

キノコも、土と同じく熟成を表現する言葉です。

ワインにキノコの香りを感じたら熟成している証拠です。

キノコブドウ品種表現
トリュフメルロなどのボルドー系黒トリュフは、腐葉土などの赤ワインの熟成の延長線上にある香り。もっとも複雑な香りとして表現される。深みのある赤ワインがさらに熟成した時に感じられる。
白トリュフは、白ワインや、スパークリングワインが熟成した時にわずかに感じる香り
マッシュルーム白ワイン、スパークリング熟成し始めた、白ワインやスパークリングに感じられる。自然酵母で発酵された白ワインで感じられることもある。
松茸ピノノワール軽いタイプの赤ワインがきれいに熟成した時にみられる。全房発酵で亜硫酸が少ないタイプのワインから感じられる。
椎茸赤ワイン全般松茸よりも土っぽいニュアンスがあるときに使われる。赤ワインがきれいに熟成した時に現れる

ワインの表現 テイスティングコメント 木

木の香りは主に樽に関する香りです。

ワイン造りに使用される、主にオークの木樽由来の香りや、樹脂のような香りがします。
木の香りは赤ワインにも、白ワインにも感じられる香りです。
木のコメントも大切なテイスティングコメントです。しっかりと覚えましょう。

ブドウ品種表現
杉、ヒノキボルドーのカベルネソーヴィニヨン樽の影響が多く、樹脂の香りに似ている
白檀ボルドー(赤、白)、ゲヴュルツトラミネール甘くスパイシーな香り。ボルドーの白や赤ワインに新樽で熟成した時に現れる。
オーク赤、白、ロゼのすべてのワイン樽由来の香りで、赤、白、ロゼ問わず、すべてのワインに感じられる。バニラの香りと一緒に感じることが多い。
樹脂主にピノノワール樽を使用したワインで、特に余韻に感じることが多い。熟成に新樽を使用しているワインに強く感じられる

樹脂とは

赤ワインに感じられる樹脂とはどんなものか分からないと質問されることがあります。
樹脂とは、木の脂で自然に期から出てくる樹液が揮発した後に残った物質を 一般的に樹脂(天然樹脂)と呼びます
松脂(まつやに)などを嗅いでみると分かりやすいでしょう。

樹液
樹液が揮発した樹脂

ワインの表現 テイスティングコメント スパイス

スパイスの香りは、熟成に使用する樽由来の香りか、ブドウ本来から感じる香りがあります。
そして、醸造方法や気候や天候によっても生まれる香りです。スパイスは、ワインを口に含んだ時のアタックや余韻に複雑みを与える香りです。

スパイスは「スパイシーな」などと表現されます。

バニラビーンズを乾燥しているところ。主な産地はマダガスカルなどの赤道付近
スパイスブドウ品種表現
コショウ黒コショウ:シラー白コショウ:リースリング黒コショウは、シラーの代表的な品種特徴香。スパイスのニュアンスは控えめでオールスパイスのような風味。
白コショウは、オーストリアのリースリングに感じられる。鉱物的な味わいや風味を全体に持つワインから感じられる。
アニス南仏の白ワイン甘いスパイスの香り。南仏の白ワイン、赤ワインともに感じられる。
バニラ木樽貯蔵のワイン全般特に新樽で樽熟成をしたワインから感じられる。におい物質は「バニリン」が主な原因で感じる香り。泡盛が熟成した時にも「バニリン」の香りがする。
シナモンゲヴェルツトラミネール、シラー、ピノノワールゲヴェルツトラミネールに感じられる。オーストラリアのシラーにも感じやすい。また樽熟成をしたワインに粉っぽいシナモンを感じることもある
クローブボルドー系、樽熟成のワイン樽由来の香りとして、多くの樽熟成したワインから感じられる。和名は「丁子」で、特徴的で強いスパイシーな香り。ヘビートーストした木樽で熟成したワインから強く感じる。下記で詳しく解説していますので、参考にしてください。
甘草(かんぞう)ボルドー系木の根の甘さを思わせる香り。樽熟成をしているワインに感じられる。下記で詳しく解説していますので、参考にしてください。
山椒白ワインスッとした時折刺すようなスパイス香り。
ナツメグ赤ワイン樽熟成したワインに使用されるコメント。ナツメグ&シナモンをセットで使用すると「樽貯蔵」を連想させる。多用するコメント用語
クミンシード白ワイン酸化熟成した白ワインに感じられる。主に産膜酵母のヴァンジョーヌにある香り。複雑な熟成を経た時に現れやすい。

甘草(かんぞう)とは

リコリス:甘草

甘草(かんぞう)とは

甘草は、甘草は、甘く、ほろ苦く、漢方を想起させるような香りが特徴的です。生薬のなかでも、漢方薬に処方される頻度が非常に高い生薬の一つです。病院で処方される薬よりも暮らしの中に深く根付いている生薬です。
ハーブティやお菓子、調味料として、ダイエット食品にも利用されています。
英語名では「リコリス」と呼ばれています。

赤ワインで多用するコメントなので本物の香りを試してみることをお勧めします。

クローブ 和名「丁子」とは

クローブ 和名「丁子」とは

丁子はワインのテイスティングコメントに多用される用語で、しっかりと香りと記憶を結び付けたい。本物を嗅いだ方が分かりやすいスパイスです。
樽貯蔵由来の香りで、多くの樽貯蔵のワインに感じられる。
「甲州」という山梨県のブドウ品種がありますが、このワインの品種特徴香としても使われる用語です。甲州は、日本のソムリエが付けたコメント用語になります。

クローブ:丁子

ワインの醸造技術による香り

ワインを造るときには様々な醸造技術を用いります。その際に出る代表的な香りをご紹介します。

・マセラシオンカルボニック・・・・バナナ(※) キャンディ
・低温発酵・・・・キャンディ、吟醸香
・マロラクティック発酵・・・・杏仁豆腐、カスタードクリーム、バターなどの乳製品

まとめ

ワインに代表される香りのコメントの使い方、いかがでしたでしょうか。何となく聞いたことがある香りですが、実際に嗅いだことがないと、なかなか腑に落ちません。一流のソムリエは、色々な香りを実際に嗅いだことがあるので、香りを知ることができ、コメントを求められたときに、スッと表現できます。

スパイスは手頃で手に入れられますので、是非本物を嗅いでみてください。上質なスパイスを販売しているサイトはこちらです。

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KIKI

KIKI

飲食店を開業しておよそ20年。有資格はソムリエ・ワインエキスパート・サケディプロマ・唎酒師・酒匠・チーズプロフェッショナル。

経営者として店を盛り上げるために、ワインや日本酒に特化した店に舵をきり大成功。店で人気のコストパフォーマンスが良いワインや、ワインにマッチするチーズなどをご紹介します。お客さんには言えないワインの話もぶっちゃけちゃいます。ワイン大好き!みんなで楽しみましょう。

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